無人航空機の飛行の安全に関する教則
6.4.2(目視外飛行)
(1) 目視外飛行の運航
1) 補助者を配置する場合
目視外飛行の運航は、機体の状況や障害物等の周囲の状況を直接肉眼で確認することができない。
飛行経路全体を把握し、安全が確認できる双眼鏡等を有する補助者の配置を推奨する。目視外飛行においては、次に掲げる機能を装備した無人航空機を使用すること。
⚫ 自動操縦システムを装備し、機体に設置したカメラ等により機体の外の様子が監視できる。
⚫ 地上において、無人航空機の位置及び異常の有無を把握できる(不具合発生時に不時着した場合を含む)。
⚫ 不具合発生時にフェールセーフ機能が正常に作動する。
当該機能の例は、以下のとおり。
① 電波断絶の場合に、離陸地点まで自動的に戻る機能又は電波が復帰するまでの間、空中で位置を継続的に維持する機能
② GNSS の電波に異常が見られる場合に、その機能が復帰するまでの間、空中で位置を継続的に維持する機能、安全な自動着陸を可能とする機能又はGNSS 等以外により位置情報を取得できる機能
③ 電池の電圧、容量又は温度等に異常が発生した場合に、発煙及び発火を防止する機能並びに離陸地点まで自動的に戻る機能又は安全な自動着陸を可能とする機能
2) 補助者を配置しない場合
補助者を配置しない場合は、無人航空機に求められる要件が追加されることに注意が必要である。
追加される要件の例を次に掲げる。
⚫ 航空機からの視認をできる限り容易にするため、灯火を装備する。または飛行時に機体を認識しやすい塗色を行う。
⚫ 地上において、機体や地上に設置されたカメラ等により飛行経路全体の航空機の状況が常に確認できる。
⚫ 第三者に危害を加えないことを、製造事業者等が証明した機能を有する。ただし立入管理区画(第三者の立入りを制限する区画)を設定し、第三者が立ち入らないための対策を行う場合、又は機体や地上に設置されたカメラ等により進行方向直下及びその周辺への第三者の立入りの有無を常に監視できる場合は除く。
⚫ 地上において、機体の針路、姿勢、高度、速度及び周辺の気象状況等を把握できる。
⚫ 地上において、計画上の飛行経路と飛行中の機体の位置の差を把握できる。
⚫ 想定される運用に基づき、十分な飛行実績を有する機体を使用すること。この実績は、機体の初期故障期間を超えていること。
(2) 目視外飛行のリスク軽減を図るための対策と提案〔一等〕
目視外飛行において、リスク軽減を図るための検討要素の例として、以下の項目が挙げられる。
1) 補助者を配置する場合
⚫ 操縦者は、目視外飛行の訓練を修了したものに限定する。
⚫ 事前確認などにより、適切な飛行経路を選定する。
⚫ 適切な補助者の配置を検討する。
⚫ 飛行前に、飛行経路下に第三者が存在しないことを確認する。
⚫ 操縦者と補助者の連絡方法の有効性を確認する。
2) 補助者を配置しない場合
補助者を配置しない場合は、例えば、次のような内容を追加する。
⚫ 操縦者は、補助者無し目視外飛行の教育訓練を修了したものに限定する。
⚫ 飛行経路は第三者の存在する可能性の低い場所を選定する。
⚫ 有人機の運航を妨げない飛行範囲を設定する。
⚫ 緊急時の対応と、緊急着陸地点をあらかじめ設定する。
⚫ 立入管理区画を設定した場合、第三者が立ち入らないための方策及び周知方法を設定する。
(3) 目視外飛行におけるリスク軽減策を踏まえた運航の計画の立案の例〔一等〕
目視外飛行において、リスク軽減策を踏まえた運航計画の立案の際に留意するべき要素の例として、以下の項目が挙げられる。
1) 補助者を配置する場合
⚫ 飛行経路及び周辺の障害物件等を事前に確認し、適切な経路を特定し選定すること。
⚫ 飛行経路全体が見渡せる位置に飛行状況及び周囲の気象状況の変化等を常に監視できる双
眼鏡等を有する補助者を配置し、操縦者へ必要な助言を行うこと。
⚫ 操縦者と補助者が常時連絡を取れること。
⚫ 補助者が安全に着陸できる場所を確認し、操縦者へ適切な助言を行うことができること。
⚫ 補助者にも機体の特性を理解させておくこと。
2) 補助者を配置しない場合
補助者を配置しない場合は、例えば、次のような内容を追加する。
⚫ 飛行経路には、第三者が存在する可能性が低い場所を設定する。第三者が存在する可能性が低い場所は、山、海水域、河川・湖沼、森林、農用地又はこれらに類するものとする。
⚫ 空港等における進入表面等の上空の空域、航空機の離陸及び着陸の安全を確保するために必要なものとして国土交通大臣が告示で定める空域又は地表若しくは水面から150m以上の高さの空域の飛行は行わない。(一時的に地表から150m を超える飛行を行う場合は、山間部の谷間など、航空機との衝突のおそれができる限り低い空域を選定する。)
⚫ 全ての飛行経路において飛行中に不測の事態(機体の異常、飛行経路周辺への第三者の立入り、航空機の接近、運用限界を超える気象等)が発生した場合に、付近の適切な場所に安全に着陸させる等の緊急時の対策手順を定めるとともに、第三者及び物件に危害を与えずに着陸ができる場所を予め選定すること。
⚫ 飛行前に、飛行させようとする経路及びその周辺について、不測の事態が発生した際に適切に安全上の措置を講じることができる状態であることを現場確認する。
⚫ 飛行範囲の外周から落下距離の範囲内を立入管理区画とし、飛行経路には第三者が存在する可能性が低い場所の設定基準を準用する。
⚫ 立入管理区画を設定した場合は、当該立入管理区画に立看板等を設置するとともに、インターネットやポスター等により、問い合わせ先を明示した上で上空を無人航空機が飛行することを第三者に対して周知する。
⚫ 立入管理区画に道路、鉄道、家屋等、第三者が存在する可能性を排除できない場所が含まれる場合には、追加の第三者の立入りを制限する方法を講じる。