使用前自主検査

使用前自主検査|火力発電所|機械関係

使用前自主検査及び使用前自己確認の方法の解釈

掲載版 令和7年5月15日改正このページ 

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(1) 一般事項

(a) 検査方法
発電所、発電設備(粉じん防止設備、騒音防止設備、振動防止設備、灰じん処理設備、ばい煙処理設備、ダイオキシン処理設備及び水銀排出設備等の環境関係設備を含む。)の工事が発電所の設置場所並びに発電設備の設置状況、仕様、材料、構造及び能力について、届出された工事計画に従って施設されており、かつ、技術基準に適合するものであることを目視、測定により確認する。
耐圧、気密試験にあっては、技術基準に適合するものであることを目視、測定により確認する。
なお、設備の仕様、材料及び構造については、記録の確認によっても良い。
(b) 判定基準
工事計画書どおりに施工されており、かつ、技術基準に適合するものであること。

(2) 安全弁試験

(a) 検査方法ドラム又は過熱器等の安全弁について、
① 取付状況等の確認
・ 安全弁の仕様について、種類、吹出し圧力及び吹出し量を銘板等で目視により確認する。
・ 安全弁の取付位置、個数及び取付状況を目視により確認する。
② 作動試験
・ 試験は実作動又はオイルジャッキ法により実施する。
なお、燃料設備又は液化ガス設備の安全弁であって実動作試験が困難なもの及び付属設備の安全弁については、工場作動試験により確認できるものとする。
(b) 判定基準
工事計画書どおりに施工されており、かつ、技術基準に適合するものであること。吹出し圧力が許容誤差内に入っていること。かつ、吹出し時及び吹止り時に異常がないことを確認する。

(3) インタ-ロック試験

(a) 検査方法
各設備インタ-ロック装置
① ボイラ-関係インタ-ロック試験パージインターロックとMFTインターロックはそれぞれ設定された順序に表示、作動が確実に行われることを確認する。
・ パージインターロックボイラーの起動時は炉内(及び関連する系統)のパージ(清掃)が完了しなければMFTがリセットされないこと。例としては、「FDF運転中」、「風量がMCRの25%以上」、「全2次空気ダンパ閉」、「点火用軽油遮断弁閉」、「燃料油遮断弁閉」、「全バーナー弁閉」、「火炉圧正常」の条件により起動準備が成立する。
以上の条件が揃った場合に限りパージが開始され、タイマーにより設定された時間後にパージ完了の表示がでること、また、これによりMFTのリセットが行われ(パージ完了までにはMFTリセットが行われないこと)各燃料の遮断弁を開くことが可能となり点火を行うことが出来る状態になることを確認する。
・ MFTインターロックボイラーの各故障原因(例:ドラム水位異常低下、炉内圧高、全FDFトリップ、燃料喪失)について、実作動又は模擬信号入力により燃料系統が遮断されること及び関連機器、各種弁類の作動を確認する。
なお、本試験は、保安確保の観点から、必要と認められる場合を除き、停止中に行うものとする。
② タービン関係インターロック試験蒸気タービン関係インターロック試験は、蒸気タービンの各故障原因(例:ソレノイドトリップ、軸受油圧低下トリップ、排気室真空低下トリップ、排気室温度高トリップ、スラスト軸受摩耗トリップ)により主蒸気止め弁、再熱蒸気止め弁等が確実に閉止することを確認する。
ガスタービン関係インターロック試験では、ガスタービンの各故障原因(例:軸受油圧力低、排ガス温度高)により燃料遮断弁が確実に閉止することを確認する。
また、ガスタービンにおいてはボイラーと同様に点火前のパージインターロックについて確認する。
実作動試験の実施にあたっては作動要因と作動系統の関連を考慮して行うとともに、保安確保の観点から必要と認められる場合を除き、停止中に行うものとする。
③ 補機関係インターロック試験
・ タービン補助油ポンプ自動起動タービンの主油ポンプ出口圧力低又は軸受油圧低による補助油ポンプの自動起動試験を行う。
試験はタービンの無負荷運転時にテストバルブにより行う方法、又はタービンの運転を停止する際に行う方法により起動開始値が計画された数値に設定されており、かつ、作動に異常のないことを確認する。
・ 非常用油ポンプ自動起動タービン補助油ポンプに準じて行う。ただし、テスト回路がない場合にあっては、停止中に行うこととする。
④ 液化ガス設備インターロック及び緊急遮断装置試験
・ 液化ガス用気化器を運転状態とし、各保護装置について実作動、又は模擬信号によりガスの発生が停止すること及び遮断弁の閉止、関連機器の停止を確認する。
・ 圧送機(圧縮機)を軽負荷運転とし、主油ポンプ出口圧力低の検出器を作動させて、補助潤滑油装置が自動起動すること又は圧送機(圧縮機)が停止することを確認する。
・ 液化ガス用貯槽の出入口に設置されている緊急遮断装置、ガス導管に設置されている遮断装置について試験を行い作動状況を確認する。
⑤ 石炭燃料設備関係インターロック試験受入、払出系統を運転状態とし、各保護装置についての実作動、模擬信号による受入払出系統の関連機器が安全に停止することを確認する。
⑥ ばい煙処理設備関係インターロック試験ばい煙処理設備を運転状態とし、各保護装置について実作動、模擬信号によりばい煙処理設備の関連機器が安全に停止することを確認する。
⑦ ガス化炉設備インターロック試験
・ パージインターロックとMFTインターロックはそれぞれ設定された順序に表示、作動が確実に行われることを確認する。
(パージインターロック)
ガス化炉の起動時はガス化炉内(及び関連する系統)のパージ(清掃)が完了しなければMFTがリセットされないこと。例としては、「FDF運転中」、「風量がMCRの25%以上」、「全2次空気ダンパ閉」、「点火用軽油遮断弁閉」、「燃料油遮断弁閉」、「全バーナー弁」、「ガス化炉圧正常」の条件により起動準備が成立する。
以上の条件が揃った場合に限りパージが開始され、タイマーにより設定された時間後にパージ完了の表示が出ること。また、これによりMFTのリセットが行われ(パージ完了までにはMFTリセットが行われないこと)各燃料の遮断弁を開くことが可能となり点火を行うことができる状態になることを確認する。
(MFTインターロック)
ガス化炉及び蒸気発生器の各故障原因(例:ドラム水位異常低下、炉内圧高、全FDFトリップ、燃料喪失)について、実作動又は模擬信号入力により燃料系統が遮断されること及び関連機器、各種弁類の作動を確認する。
なお、本試験は、保安確保の観点から、必要と認められる場合を除き、停止中に行うものとする。
・ ガス化炉を運転状態とし、各保護装置について実作動、又は模擬信号によりガスの発生が停止すること及び遮断弁の閉止、関連機器の停止を確認する。
⑧ 総合インターロック試験軽負荷運転状態において、実作動、模擬信号によるインターロックによる機器、弁類等の作動を確認するものとする。
(b) 判定基準
技術基準に適合するものであること。
計画した条件に設定されていること及びインタ-ロックどおりに、各機器類が確実に作動し、警報及び必要な表示が正常に行われること。

(4) 非常調速機試験

(a) 検査方法タービンの無負荷運転時に、調速機の作動範囲の上限の制限を解除し回転を徐々に上げることにより非常調速機を作動させる。タービンがトリップした時の回転数を確認する。
(b) 判定基準
技術基準に適合するものであること。また、設定されたインターロックどおりに、各弁等が作動し、警報及び必要な表示が正常に行われること。

(5) 負荷遮断(調速機)試験

(a) 検査方法
負荷運転中に、負荷が遮断した場合、調速機により各機器類を制御し、タービンの回転速度、発電機電圧等に異常がなく、タービン・発電機が安全に無負荷運転に移行することを確認する。
① 汽力を原動力とする設備(誘導発電機を結合する場合を除く。)
蒸気弁類について負荷遮断試験前に各弁に設けられているテスト装置により動作試験を行い、各弁が正常に作動することを確認する。
負荷遮断(調速機)試験は、制御方式の条件が異なるごとに、1/4出力又は安定運転可能な最低出力、2/4出力、3/4出力、4/4出力の4段階で実施する。
負荷の遮断前には、蒸気温度、蒸気圧力、流量を確認しタービンの運転状態値及び発電機の電圧の上昇等に異常のないことを目視又は測定により確かめ、遮断後は無負荷に整定するまで各部に異常がなく、かつタービンの回転上昇が非常調速機の作動によるトリップ速度に達しないものであると同時に持続的に動揺するものでないことを確認する。
② ガスタービンを原動力とする設備(誘導発電機を結合する場合を除く。)
下記によるほか、汽力を原動力とする設備に準じて行う。
・ ガスタービン設備の負荷遮断(調速機)試験は、ガスタービンの出力が確保できるよう、外気温度が設計外気温度近傍の状態で実施すること。
・ 回転数上昇率が最大となる制御方式等代表性のある条件での4/4出力又は中間出力における調速機の機能確認を必要とする場合の当該出力での負荷遮断(調速機)試験が困難であって、実出力での試験結果で支障無いと判断される場合は、負荷遮断(調速機)試験は当該出力での実施も可能とする。
なお、この場合は、回転数上昇率が最大となる制御方式等代表性のある条件での4/4出力又は中間出力における調速機の機能確認を必要とする場合の当該出力での負荷遮断(調速機)
試験を行うことが可能な時期に、速やかに負荷遮断(調速機)試験を実施し、記録を保存すること。
同一設置者における他の設備と同型のガスタービンの設置又は取替えの工事に係る場合は、先行設備で回転数上昇率が最大となる制御方式等代表性のある条件での4/4出力又は中間出力における調速機の機能確認を必要とする場合の当該出力における負荷遮断(調速機)試験が行われ、その結果が支障ないと判断された場合に限り、負荷遮断(調速機)試験における出力は、実出力によることができるものとし、当該ガスタービンの動作状態図も踏まえて、4/4出力時の速度上昇率等を確認するものとする。
(b) 判定基準
技術基準に適合するものであること。整定速度に至る間、各部に異常なく各機器類の作動が正しく行われており、かつ、運転状態値が保安上支障のない変動値であること。

(6) 負荷試験

(a) 検査方法
① 汽力を原動力とする設備
・ 負荷試験は、タービン発電機を4/4出力で運転した場合、各部に支障がないことを目視及び常設の計器により確認する。ただし、運転状態値の確認が必要な場合であって、常設の計器がない場合にあっては、実測により確認するものとする。
ボイラーは蒸気温度、圧力を定格値に最も近い状態とし、蒸発量については、ユニットの場合はタービン4/4出力に見合う蒸発量、その他の場合は最大蒸発量で運転し各部に支障がないことを確認する。また、主燃焼方式により連続運転して、運転状態値の判定が可能で、かつ、各部に異常が認められない場合は、5時間(補助ボイラーにあっては3時間)で終了することができることとする。
なお、従燃焼方式がある場合は引き続き連続運転して特に各部に異常を認められない場合は2時間で終了できることとする。
一般的注意としては、蒸気タービン、ボイラー及び附属機器等全般について、計測点は適当であるか、計測方法は何か、計器の校正は行われたか、設計仕様による運転が行われているかを確認する。
・ ばい煙(硫黄酸化物、窒素酸化物及びばいじん)の発生状況を測定する。
② ガスタービンを原動力とする設備下記によるほか、汽力を原動力とする設備に準じて行う。
・ ガスタービン設備の負荷試験は、ガスタービン4/4出力が確保できるよう、外気温度が設計外気温度近傍で実施すること。
・ 4/4出力による負荷試験が困難な場合であって、実出力での試験結果で支障無いと判断される場合は、負荷試験は当該出力での実施も可能とする。
なお、この場合は、4/4出力による負荷試験を行うことが可能な時期に、速やかに負荷試験を実施し、記録を保存すること。
同一設置者における他の設備と同型のガスタービンの設置又は取替の工事に係る場合は、先行設備で4/4出力における試験が行われ、その結果が支障ないと判断された場合にあっては、負荷試験における出力は、実出力によることができるものとし、当該ガスタービンの動作状態図も含めて設備の状況を確認するものとする。
・ ばい煙(硫黄酸化物、窒素酸化物及びばいじん)の発生状況を測定する。
③ 燃料設備燃料設備のみの負荷試験は、汽力を原動力とするものに準じて行い、支障がないと認められる場合は3時間で終了できるものとする。
④ ばい煙処理設備
・ ばい煙処理設備のみの負荷試験は、汽力を原動力とするものに準じて行い、支障がないと認められる場合にあっては3時間で終了できるものとする。
・ ばい煙(硫黄酸化物、窒素酸化物及びばいじん)の発生状況を測定する。
(b) 判定基準
工事計画書どおり施工されており、かつ、技術基準に適合するものであること。機械設備及び電気設備各部の運転状態値が適正な値であること。
ばい煙に関しては、そのばい煙量又はばい煙濃度が排出基準を満足していること。

(7) 液化ガス設備保安関係試験

(a) 検査方法
① ガス検知器の検出点に試験ガスを作用させ、ガス検知器が作動し、警報が出ることを確認する。
② 液化ガス燃料用貯槽の散水装置について、散水状況を確認する。
③ ガス導管内のガスの附臭が所定どおり行われているかガスをサンプリングし、規定濃度に空気で稀釈して、臭気の有無を確認する。
(b) 判定基準
技術基準に適合するものであること。

(8) ガス化炉設備保安関係試験

(a) 検査方法ガス検知器の検出点に試験ガスを作用させ、ガス検知器が作動し、警報が出ることを確認する。
(b) 判定基準
技術基準に適合するものであること。

(9) その他

(a) 検査方法
① 1万kW未満のガスタービン出力1万kW未満のガスタービンの使用前自主検査にあっては、工場における出荷試験の結果を踏まえて実施するものとする。
この場合において、主任技術者等において、工場等の品質管理状況が適正であることが確認された場合にあっては、負荷試験の出力は、実出力(その時の出力)によることができる。
② その他の検査主任技術者により設備の状況に応じ保安上必要と認められた場合には、必要な検査を行うこととする。
(b) 判定基準
技術基準に適合するものであること。

火力発電所の検査

このページを整えている人

第3種電気主任技術者 · 第1種電気工事士 · 第2種電気工事士 他

電力設備の保全・施工管理・建設DX/AIの経験を活かして、使用前自主検査のデータベースを整えています。 経歴はこちら