無人航空機の飛行の安全に関する教則

6.2.2(気象の影響)

無人航空機の飛行の安全に関する教則(令和8年7月7日公布 第5版)

国土交通省の公表資料に基づく表示(非公式) · 学科試験適用 2026-07-14

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(1) 安全な⾶⾏のために知っておくべき気象現象

1) 雲と降水

雲には10種雲形と呼ばれる10種類の雲の形がある。
上層雲として巻雲・巻層雲・巻積雲が、中層雲として高層雲・乱層雲・高積雲が、低層雲と下層から発達する雲として積雲・積乱雲・層積雲・層雲がある。このうち層雲系の雲では連続的な降水が、積雲系であれば断続的でしゅう雨性の降水を伴う傾向がある。

2) 風

a. 風と気圧

風とは、空気の水平方向の流れをいい、風向と風速で表す。空気は、気圧の高いほうから低いほうに向かうが、この流れが風である。等圧線の間隔が狭いほど風は強く吹く。

b. 風向

風向は、風が吹いてくる方向で、例えば、北の風とは北から南に向かって吹く風をいう。風向は360度を16 等分し、北から時計回りに北→北北東→北東→東北東→東のように表す。

c. 風速

風速は空気の動く早さで、メートル毎秒(m/s)で表す。風は必ずしも一定の強さで吹いているわけではなく、単に風速と言えば、観測時の前10 分間における平均風速のことをいう。
また、平均風速の最大値を最大風速、瞬間風速の最大値を最大瞬間風速という。
風は地面の摩擦を受けるため、一般的に上空では強く地表に近づくにつれて弱くなる。変化の度合いは地表の粗度(樹木や建物などによる凸凹の程度)や風速の大きさによって異なる。一般に地表の粗度が大きいほど、高さによる風速の変化は大きくなる。

d. 突風

低気圧が接近すると、寒冷前線付近の上昇気流によって発達した積乱雲により、強い雨や雷とともに突風が発生することがある。日本付近では、天気は西から東に変わるため、西から寒冷前線を伴う低気圧が接近するときは、突風が発生する時間帯を予測することができる。

e. 海陸風

気温差があると、気圧差が生じて風が吹く。海陸風は海と陸との気温差によって生じる局地的な風で、日本では、日差しの強い夏の沿岸部で顕著に見られる。地表付近において、日中は、暖まりやすい陸上に向かって風が吹き、夜間は、冷めにくい海上に向かって風が吹く。風が入れ替わるときには、ほぼ無風状態になり、「朝凪」「夕凪」と呼ばれる。

f. 山谷風

山岳地帯に現れる風の一種。昼間は、日射で暖められた空気が谷を這い上がる谷風が吹き、夜間は冷えた空気が山から降りる山風が吹く。

g. 風力

風力は、気象庁風力階級表(ビューフォート風力階級)により、風力0から風力12 までの13 階級で表す。

h. ビル風

高層ビルや容積の大きい建物などが数多く近接している場所及び周辺に発生する風で、強さや建物周辺に流れる風の特徴により分類される(剥離流、吹き降ろし、逆流、谷間風、街路風などがある)。
ビル風は周辺の風より風速が速く継続して吹いていて、その建物群の配置や構成によって吹く風の種類が異なる。

i. ダウンバースト

ダウンバーストとは、積乱雲や積雲内に発生する強烈な下降流が地表にぶつかり、水平方向にドーナツ状に渦を巻きながら四方に広がってゆく状態をいう。その大きさは数百m から10km にもおよぶ。その中でマイクロバーストと呼ばれるものは、直径が4km程度以下の下降流で、範囲は小さいが下降流はダウンバーストより強烈なものがある。発生時間は数分から10分程度のものが多く、通常の観測網では探知されない局地的なものである。

(2) 気象に関する注意事項

無人航空機は、運用可能な動作環境が具体的に明示されている。運用可能な範囲内であっても、低温時や高温時には大きな影響をうけることが予想される。特に気温の低い場合はバッテリーの持続時間(飛行可能時間)が普段より短くなる可能性があるため注意が必要である。
地表面が暖められると上昇気流が発生するため、広い面積の太陽光パネルやアスファルト・コンクリートの地面が多い市街地は注意が必要である。また、広い運動場のような場所では、強い日射により上昇気流がおこりつむじ風が発生する可能性がある。